【薬剤師が解説】子どもの塗り薬・保湿ケアの正しい使い方と続け方ガイド

🧴 子どもの外用薬・保湿ケアの基本ガイド

小児では虫さされ・オムツかぶれ・湿疹などで軟膏の出番が多くなります。でも、塗るのが嫌がられたり、どれくらい使えば良いか悩むこともありますよね。

そこで今回は、塗る前の準備・塗り方・使う量・続け方・親の取り組み方について、薬剤師の視点でわかりやすく整理しました!


1. 基本ルール✨

  • 必ず手を洗う
  • チューブの口は直接患部に当てず、清潔な指やへらで取る
  • 薄く、やさしく伸ばすように塗る(ゴシゴシはNG)
  • 薬ごとに指を変えるか洗う
  • 塗った後も手を洗う
  • 乳幼児が舐めてしまう場合は、寝ている間や気が散っている間に塗ると◎

2. 薬の量の目安:FTU(Finger Tip Unit)

1FTU = 大人の人差し指の先〜第一関節までの長さで出した量。
→ 成人の手のひら2枚分に塗れる量。

ローションタイプは「1円玉大 ≒ 1FTU」が目安です。
ティッシュが軽くつく/肌がうっすらテカる程度が目安。


3. 親の工夫&サポートが大切

  • 追いかけて塗るのはNG! → 子どもは“遊び”と誤認し悪循環
  • 無反応で淡々と、短時間で塗るのがコツ
  • パパ・ママで役割分担
     → 片方が塗る/もう片方が気をそらす
  • 一人の場合は、お気に入りの歌やTVを活用!

4. ステロイド+保湿剤の塗り方

  • 順番は自由。ただし、保湿剤→ステロイドが無難
  • 保湿剤=全体/ステロイド=炎症部位のみ
  • 治ったところは保湿剤だけでOK

5. ステロイド外用薬は使い分けが大事

  • 顔・首・陰部など吸収率が高い場所は弱い薬を
  • 手のひら・足裏など吸収率が低い部位は強めの薬
  • 全身性副作用の心配は少ないが、長期使用には注意

⛔ 長期使用の副作用例

  • 皮膚の萎縮・薄化
  • 毛細血管拡張
  • 感染(とびひ・カビなど)
  • 緑内障・白内障(顔周りの場合)

6. ぶり返しを防ぐ「うまいやめ時」

  • 軽症:赤みが消えた後も2~3日は続ける
  • 長期湿疹:徐々に回数を減らす(例:1日2回→1回→隔日)
    • ぶり返しやすい場合は「プロアクティブ療法
       → 症状がない日でも週1でステロイドを使う方法。詳しくは医師に

Q&A:よくある質問

Q:擦り込んだ方が効く?
→ × 擦り込まず「やさしく伸ばすだけ」でOK

Q:赤ちゃんが舐めちゃっても大丈夫?
→ 通常使用量なら問題なし。心配なら薬剤師へ

Q:掻きむしってしまう…
→ ガーゼやリント布でカバーする方法もあります

Q:開封後の使用期限は?

  • 調剤薬:3ヶ月以内
  • 市販薬:6ヶ月以内
  • 異臭・変色があれば廃棄!

Q:汗をかいてる時に塗ってもいい?
→ 大量でなければOK。水分をしっかり拭き取ってから塗りましょう


✅まとめ:塗り薬は「量・範囲・頻度・タイミング」が大事!

  1. 適切な量(FTU)をしっかり塗る
  2. 炎症部位とその周囲に広めに塗る
  3. 最初は短期集中ケア(1日2回、最低1週間)
  4. 改善後は徐々に回数を減らし、保湿へ移行
  5. プロアクティブ療法も選択肢に
  6. 親の協力と環境づくりも大切!

「丁寧ケアで、親子ともにストレス少なくスキンケアを続けよう!」

お子さんの肌に負担なく、無理せず取り組む工夫が何より大切です。
困ったときは医師・薬剤師へ相談してくださいね!

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