風邪や発熱などのとき、子どもに処方されることが多い「水薬(シロップ剤)」。
でも、「うまく飲んでくれない…」「泡立って量れない…」と悩むことも多いのではないでしょうか。
この記事では、子どもに水薬を飲ませる方法や注意点を、現役薬剤師がわかりやすく解説します。
初めての方でも安心できる内容なので、ぜひ参考にしてくださいね。
水薬(シロップ剤)の基本的な飲ませ方
① ビンを軽く振って混ぜる
水薬は時間が経つと成分が沈殿してしまいます。使う前に軽くゆっくり振って混ぜることが大切です。
※激しく振ると泡立ってしまい、正確に量れなくなるので注意!
② 正確に1回量を量る
薬を量るときには、以下のような道具を使用しましょう。
- スポイト(シリンジ)
- スプーン
- 計量カップ(飲ませづらい場合はスポイトがおすすめ)
- シロップ用コップ
ビンから直接飲ませるのはNG!
量が不正確になるうえ、口の中の菌がビンに入ってしまうリスクがあります。
③ 量った薬はすべて飲ませる
カップやスポイトに薬が残る場合は、少量の水ですすいで、すべて飲ませてあげましょう。
④ 飲ませた後は水や湯冷ましを少し
薬の味が口に残るとイヤな印象を持ちやすいので、飲ませた後は少しだけ水分を与えるのがおすすめです。
投薬瓶のメモリで薬を量ってもいいの?
薬局でもらう水薬は、「投薬瓶」に入っていることが多いですよね。
このメモリ、「使っていいのかな?」と思う方も多いですが、必ずしも使うものではありません。
■ メモリを使うケース
- 1回量が「3.5mL」など中途半端な場合
- 水を加えて、1回量を5mLなどに調整している場合
このようなとき、薬剤師があらかじめ調整してメモリを使うことがあります。
ただし、メモリの数値は目安であり、正確とは限りません。
■ メモリを使わないケース(多くはこちら)
ほとんどの場合、薬局から渡されたスポイトやカップを使って測るのが基本です。
正確に量れるように設計されているため、投薬瓶のメモリを使って量るのは避けましょう。
子どもが嫌がるときの飲ませ方の工夫
水薬を嫌がって飲んでくれないときは、以下の工夫もおすすめです。
- 頬の内側にそっと流し込む(吐き出しにくくなります)
- 冷やしたり凍らせる(味覚が鈍って飲みやすくなる)
- おしゃぶりや乳首に入れて与える
- パンやカステラにしみ込ませてみる
- お気に入りのマグやコップで飲ませる
薬の種類によっては食べ物に混ぜたり冷やしたりできないものもあります。
必ず薬剤師に相談してから試してくださいね。
水薬の取り扱いで注意してほしいこと
- 冷蔵庫で保管:カビや変質を防ぐために、冷蔵庫で保存しましょう。
- 子どもの手の届かない場所に保管:誤飲防止のため、高い棚などに置いてください。
- ミルクに混ぜない:味が変わってミルク嫌いになる原因になることも。
- スポイトやカップは清潔に保つ:使用後は洗ってよく乾かしましょう。
まとめ:困ったときは薬剤師に相談を
子どもが薬を飲んでくれないと、保護者の方も不安になりますよね。
無理に飲ませず、まずは子どもに合った方法を一緒に探してみることが大切です。
「どんな飲ませ方がいいの?」「ジュースやアイスに混ぜても大丈夫?」
そんな疑問は、ぜひ薬剤師にご相談ください。