【薬剤師監修】粉薬の上手な飲ませ方とNGな組み合わせ|子どもが薬を飲まない時の対策も解説

前回の記事では、子どもへの薬の飲ませ方の基本について解説しました。今回はより実践的に「粉薬」の飲ませ方を中心に解説します。

特に1〜3歳の子どもは味覚が敏感で、薬を嫌がることも多いです。この記事では、粉薬の溶かし方や工夫、避けるべき飲み物などをわかりやすくご紹介します。

粉薬の基本の飲ませ方

● 粉薬の基本の溶かし方

  • 袋の中で粉薬を端に寄せてから開ける
  • 袋に直接少量の水を加えて溶かす(スプーン1〜2杯が目安)
  • スプーンやスポイトで飲ませ、その後ジュースなどで味を流す

ポイント:水を入れすぎると飲む量が増えるので、なるべく少なめにしましょう。

● 粉団子の作り方

  • 粉薬をお皿にあけ、1〜2滴の水を加えて練る
  • 団子状にして指で上あごに貼り付け、水で飲ませる
  • 水が多すぎた場合は、ココア粉末などで調整可能

● オブラートの種類と使い方

  • 包んだ後にオブラートを軽く湿らせることで、ぬめりが出て飲み込みやすくなります
  • 1つのオブラートに包む量が多すぎると、口の中で破裂し苦味が出ます
  • ゼリータイプ(おくすり飲めたね等)は薬を挟むように使用
  • 酸味のある味(ブドウ味・みかんゼリー)は一部薬のコーティングを溶かすためNG

おすすめ味:チョコレート味のゼリーは比較的安全です。

● 混ぜると苦くなる薬

以下の飲み物は、薬のコーティングを溶かして苦味が強く出てしまうことがあります。

  • スポーツドリンク
  • みかんゼリー
  • おくすり飲めたね(ブドウ味など酸味のあるもの)

マクロライド系抗生物質などが特に苦くなりやすいので注意しましょう。

● 飲みやすくする工夫

  • 小さいシュークリームに薬を詰める(パイ生地のザラザラで薬の違和感が減少)
  • 好みのゼリーで包む(酸性でないもの)

● やってはいけないこと

  • 牛乳やアイスはカルシウムが含まれており、薬の吸収を妨げる
  • 母乳やミルクに混ぜると、ミルク嫌いになる恐れあり
  • 飲み合わせに問題のある飲料で混ぜること(ネット情報の鵜呑みは注意)

牛乳や乳製品はテトラサイクリン系・ニューキノロン系の薬と特に相性が悪いため、服用2時間前後は避けるようにしましょう。

よく使われる抗菌薬(粉薬)一覧

■ マクロライド系

  • クラリスロマイシン(クラリスドライシロップ10%、20%、50%)
  • エリスロマイシン(エリスロシンドライシロップ10%、20%)
  • アジスロマイシン(アジスロマイシンドライシロップ小児用10%)

■ テトラサイクリン系

  • ミノサイクリン(ミノマイシン細粒2%)
  • ドキシサイクリン(ビブラマイシン細粒)※現在ほぼ使用されていない

■ ニューキノロン系

  • ノルフロキサシン(バクシダール細粒10%)
  • オフロキサシン(タリビッド小児用細粒10%)
  • ガチフロキサシン(ガチフロ細粒小児用10%)※販売終了
  • レボフロキサシン(クラビット小児用細粒10%)
  • シプロフロキサシン(シプロキサン細粒)※現在は主に錠剤

まとめ:薬の工夫は薬剤師に相談しよう

薬の味や飲ませ方に困ったときは、まずは薬剤師に相談するのが一番です。飲みやすい方法や注意点など、調べてくれたり工夫を教えてくれる薬局も多いです。

医師よりも服薬のことに詳しいのが薬剤師なので、「こんな方法で飲ませてもいいですか?」と気軽に聞いてくださいね。

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