夏本番。子どもたちは外遊びが大好きですが、汗をかきやすく、虫の多い場所にもついつい行ってしまいがちです。
刺されても気づかないことが多く、保護者が後から気づく…ということも少なくありません。
今回は「虫刺されの予防と対処法」について、薬剤師の視点から分かりやすく解説します。
蚊はどうやって人を刺すの?
蚊は人間の皮膚から出る二酸化炭素(CO₂)や体温、汗の成分に反応して近づいてきます。
刺すのはメスの蚊だけで、産卵のために血を吸うのです。
虫よけ(イカリジン・ディート)の効き方
虫よけを塗布すると、虫よけ成分が蚊の触角に作用し、人間の存在を感知しにくくなります。結果として刺されにくくなるのです。
虫よけ剤のタイプと特徴
- ノンガススプレー
ガス不使用で子どもにも安心 - エアゾールスプレー
広範囲に塗布可能。パウダー入りでさらっとした使用感のものも - 塗布タイプ(ジェル・クリーム)
汗に強く、首や耳の後ろにも塗りやすい - ティッシュタイプ
持ち運びに便利で、飛散の心配も少ない
虫よけの使い方の注意点
- 顔にはスプレーせず、手にとってから塗る
- 目の周りには使用しない
- 衣類で覆われている部分には不要
- 傷や粘膜部位には使わない
- 手指や口に入る部分には塗らない
虫よけの主な成分と使い分け
① ディート
- 6か月未満の乳児には使用不可
- 6か月~2歳未満:1日1回まで
- 2歳~12歳未満:1日1~3回まで
- 医薬品は最大12%配合、医薬部外品は10%まで
- ツツガムシなどの媒介虫にも有効
② イカリジン
- 0歳から使用可能
- 刺激が少なく、臭いも控えめ
- ノミ・ツツガムシ・サシバエには効果が弱い
虫に刺されたときの対処法
- まず水でよく洗い流す(虫の体液や針が残っていることがある)
- かゆみ止め(抗ヒスタミン外用薬やステロイド)を使用
- 冷たいタオルで患部を冷やす
- 掻かないように注意
- 小さな範囲→絆創膏+薬/広い範囲→ガーゼ+薬+包帯
まとめ:生活スタイルに合った虫よけ選びを
普段の外出や保育園など日常使いには、イカリジン入りで刺激が少ない製品がおすすめ。
山や川、野外活動などでは、ツツガムシなどにも効果のあるディート入りが適しています。
また、保育園や幼稚園などでは塗り直しが難しいため、塗布タイプが長持ちしておすすめです。
最近は服にスプレーして24時間効果が続くタイプのイカリジン製品も登場しています!
朝の準備が楽になり、日焼け止めとの併用にも便利です。
お子さんが快適に夏を過ごせるよう、ぜひ虫対策の参考にしてくださいね。